業務の一つ、入浴介助について詳しく!

ヘルパーや介護福祉士といった介護職の仕事では、利用者の入浴を介助するシーンもたくさん登場します。入浴という行為は単に身体の清潔を保つだけでなく、利用者の気持ちをリラックスさせるなど精神の安定にも役立つため、日常生活では不可欠な習慣と言えます。ただし介護の現場では心身の不自由な高齢の利用者も多く、転倒といった事故の危険性と常に隣り合わせ。また利用者の身体にも何かと負担がかかるので、入浴中はもちろんその前後を通じて、十分に観察し続けることが介護職には求められます。

まず入浴前には、利用者の顔色や精神状態をしっかりチェック。さらに熱や脈拍をはじめ呼吸や血圧なども、普段と比べて異常がないかよく確認します。入浴は血圧が変動しやすいので、脱衣所や浴室が寒すぎたり、お湯の温度が高すぎるなど、血圧を大きく変動させる要因は、あらかじめ取り除いておくように工夫しましょう。例えば寒い冬場は日中の暖かい時間帯を選んだり、空腹時や食事直後の時間帯を避けるなど、きめ細かい配慮が必要です。

どんなに万全を期しても、高齢の利用者であれば体力の低下による転倒の他、のぼせや脳貧血による気分の不調など、入浴中に何らかの異常が発生することは十分に想定できます。そんなケースに遭遇したら速やかに入浴を中止し、冷静かつ迅速そして的確に対応しなければなりません。まず利用者の身体を拭いたら安静できる状態にして、様子を観察します。のぼせや貧血ならば水を飲ませて水分を補給し、水で濡らしたタオルで頭を冷やします。状態が深刻なようならば家族の了解を得て主治医に連絡するか、救急車を呼ぶことが必要になります。